おはなし会(4月11日開催)のレポートです


こんにちは、海運堂の砂田沙紀です。4月も下旬に差し掛かろうとしています。朝来市佐嚢(さのう)では、あぜ道の緑が色濃くなり、あちらこちらで田植えの準備が行われています。耕運機で田畑を耕す様子もちらほら。先週末は春雨のちらつく休日となりました。

*****

〈1.4月11日のおはなし会の様子〉

 4月11日(日)、朝来の砂田宅を「海運堂」として初めて開放し、おはなし会を開きました。「わたしたちの、おはなし会」と掲げ、お互いに読み聞かせを行いました。
 
 砂田家を含んで、大人8名、こども9名のご参加でした。こどもは、7歳さん1人、5歳さん2人、4歳さん2人、3歳さん2人、2歳さん2人、という年齢構成でした。世帯で数えると、6組と砂田家、計7世帯の参加でした。

 まず、自己紹介の時間を設けました。お名前と、今日の朝ごはん、何を食べたか、お話ししてもらうことに。朝ごはんを教えてもらう、というのは先日個人的に受講したp4c(こどものための哲学)の催しで行われていたものです。面白かったので真似してみました。
 
 お母さんが「今日の朝ごはんは、」と話し始める。その後、こどもが「今日の朝は、」と続けようとしたときに、気づきました。家族で同じものを食べている!これは失敗。みなさんすみませんでした。でも、みなさん最後まで、朝ごはんを教えてくれました。パンとごはん、という話がありますが、ごはんの人が多かったです。

 自己紹介で割と時間が取られてしまったのは一つ勉強になりました。後からみんなそれぞれ前に出ることになるのだから、自己紹介を設けなくてもよかったかな、お名前だけでよかったかな、とも思いました。

その後は、以下の絵本を読み聞かせ合いました。

(1)「もりのさんぽ」
作・絵:サイモン・ジェイムス
訳:木島始

 7歳の子が読んでくれました。「ちいさい子が多いから、分かりやすいもの」「この本好きだから」とのこと。読んだのは私の娘なのですが、自分で絵本を選んだこと、この本を選んだこと、目の前で割とすらすら読んでいること、それらに驚きっぱなしで、ちゃんと聞けませんでした。私は絵本を支えるので精一杯、みなさんの顔がどんな風だったか、というのは記憶にありません。自分のこどもについて客観的に観察することの難しさを思い知らされた時間でもありました。参加されたみなさん、どうでしたか。また教えてください。

(2)「どうぶつまぜこぜあそび」
作:サトシン
絵:ドーリー

 4歳の子が、お母さんと一緒に読んでくれました。種類の違う2匹の動物が混ぜこぜになった様子、「なにとなにのどうぶつが、まざったのかな?」の問いかけに、挙手をして、当てられた人が答える、という流れに自然となりました。途中、当ててほしい気持ちが大きくなり、涙ぐんでしまう子の姿がありました。みんなそれぞれ答えたい気持ち、その後、挙手しているみんなに「〇〇くんは?」「〇〇ちゃんは?」とこちらからボールを投げてみました。私ができたのはそれくらいです。4歳さん、頑張って読み切りました!

(3)「まってる まってる」
作:高畠那生

お母さんが読む絵本を、3歳の子が支える、という形で始まりました。お母さんが読み進めるにつれ、絵本の内容を思い出し、1ページ毎にげらげらと笑い出す3歳さん。それに連れてお母さんも、聞いているみんなも、気が緩み、笑い出しました。自分が面白いと思うものを「これ面白いでしょー!」と共有する楽しさ、嬉しさみたいなものが溢れていました。

(4)「ラブ・ユー・フォーエバー」
作:ロバート・マンチ
絵:梅田俊作
訳:乃木りか

この絵本は単身でご参加いただいた方が読んでくださいました。「大人向けの絵本なんですが」と前置きがあったものの、それぞれに響くものがあったのか、大人もこどもも同じように、静かに耳を傾けていました。私はですね、少し泣いていました。マスク様様、でした。1人の保護者として、どうしても「読んであげるもの」として捉えがちな絵本が、こうして不意に私の方を向いて語り出すときに、驚き、そしてとても豊かな気持ちになれます。絵を眺める贅沢、読んでもらう贅沢、そりゃあ「これよんで」って絵本を持ってくるわ…と納得します。絵本を読んでもらったときの「この感じ」を知っているというのは、とても強いことだと思います。

(5)「ふたりはともだち」より「おてがみ」
作:アーノルド・ローベル
訳:三木卓

 5歳さんと3歳さんのお母さんが、おひとりで前に出て、読んでくださいました。すみません、「ラブ・ユー・フォーエバー」の余韻冷めやらず、で、私はこの時間のことを殆ど覚えていません。ごめんなさい!勿体ないことをしました。

 その後、まだ読んでいない方がいらっしゃたのですが、この時点で開始から既に1時間、集中力ももう限界、という様子、おひらきにしましょうか、ということで、おしまいとしました。読んでいただけなかったのは、勿体ないことでした。それぞれが読み聞かせ合いをする、というのはとても楽しいことでしたが、人数のこと、時間のことを考えると難しいところもあります。

 しばらく外遊びが続いて、屋外のコンクリートの上に各自レジャーシートを引き、持参したおむすびやお弁当をそれぞれにいただきました。気温はそれほど高くなかったのですが、コンクリート自体が熱を持ち、座ると結構暑かったということ、日除けが無かったということ、それらが大きな課題です。今回「お昼持参可」としましたが、ほぼ全員の方がお昼を持参されました。このコロナ禍、屋内での飲食は難しく、朝来市内の子育てセンターでも飲食はできないことになっています。ただ、こどもと過ごす日、お昼ご飯も含めて段取りしたい、という気持ちはとても良く分かります。5月以降、さらに日差しがきつくなりますから、コンクリートの上で食べるのは難しいです。日除けがある広い屋外で飲食できればいいのですが、そのような場所は海運堂にはありません。さて、大きめの木を植えるか(これは予算がかかりそうです)、テントを張るか(どこかからレンタル出来るかな)、砂田家で色々と話し合っています。

 ここからは総括ですが、とても嬉しかったことの1つは、単身で参加された方がお2人いらっしゃったことです。どうしても「母子」で完結しがちなおはなし会、そこに単身でお申込みいただいた、ということが海運堂の糧となりました。男性、女性お一方ずつ来られたのですが、男性には絵本を読んでもらう時間がありませんでした。勿体無いことをしました。

 公園に遊びに連れて行く父親の姿は、神戸ではよく見かけました。朝来でもたまに見かけます。ただ、子育ての催しとなると、父親の参加が一気に難しくなるあの感じ、一体何なんでしょうか。父親が悪い、という訳ではありません。主催する側も「お父さんもよかったら来てください」とアナウンスしています。でも、難しい。「こども」に関わる1人の大人として、母親以外(父親、祖父母、近所の人、こどもに関わりたいと思っている人)が参加できる仕組みに必要なものって、何だろう、と考えます。お父さん同士が集うと、どうしても「仕事の話」になってしまうということもヒントの1つだと思います。集う人それぞれが「(その場にいる全ての)こども」の方に意識が向いていて、集う人それぞれに居場所(ここに居ても良いという感じ、自分には自分の役割があるという感じ)がある、という様子を想像しています。

 「男性も育児参加せよ」とアナウンスしているのではありません。「自分がしてもらったことを、繰り返していく」。これは神戸のおはなし会でお世話になっていた、児童文学がご専門の島式子さんの言葉です(言い回しが違ったかもしれません)。大人は皆、かつてこどもでした。誰かに何かをしてもらって、みんな大人になりました。その、自分を形作ったもののなかで、これは是非、というものを「こども(自分のこどもに限りません)」に差し出す、ということが、大人自身、あるいは社会の大きな糧となる、と思います。それを、母親だけが独占するような構造は、よろしくない。「みんなで子育て」とは何か、を問いながら、試行錯誤を繰り返します。

 他、小さな反省点もいくつかありました。海運堂は県道に面しているのですが、この県道を走る車のスピードの速いこと。冷や汗をかくこともありました。対策する必要があります。簡単な網を張ろうかと、これも砂田家で検討しています。

 催しにご参加いただいた方、ありがとうございました。お気づきのことが多くあったかと思いますが、教えていただけると幸いです。「こどもの育ち」について、一緒に考えたり悩んだり笑ったりできれば、大変嬉しく思います。

 また、催しに参加されていない方も、何か思うことをお知らせいただけると嬉しいです。

 今年度、1つの目標として「催しの記録を共有する」を掲げました。「みんなでごはん」や「公園遊び」や「おはなし会」等の催しを定期的に活動すること自体が目的化してるようなこともありました。やったらやりっぱなし、ということも多かったです。前年度の公園遊びでは、私はほとんどこどもの様子を観察することが出来ませんでした。しかし、催しで観察された大人やこどもの様子、そこから考えること、それら全てが海運堂の財産であり、参加者や海運堂に関わる皆さんと共有するべきものだと思うに至りました。イベントの様子を撮影した写真数枚をSNSに投稿すれば、雰囲気は伝わります。「やった感」も味わえます。でも、そこに映るものは当日起こった素敵な出来事のほんの一部、ということを私は忘れがちです。「丁寧に振り返り、記録し、伝える」を繰り返すことが、「新しい土地で活動を始める」ということを支えてくれるだろうという考えもあります。

 とっても長くなりました。が、おはなし会を存分に振り返ることが出来ました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 次回、屋外の日除け対策に目途が立てば、開催するつもりです。こちらも、何か案がありましたら、教えていただければ幸いです。

特定非営利活動法人海運堂 砂田沙紀